探偵を目指す人は、いったいどんな事を勉強すればいいのでしょうか?
特定の職業に就くための勉強というと、進学の際の進路選択や、資格取得について考える方も多いかもしれませんね。
しかし、探偵になるためには、理系または文系の学校に進まなければいけないとか、特定の資格を取得しなければいけない、ということは特にありません。
学歴なども関係なく、探偵になること自体は比較的簡単で、業務に必要な技能や知識も、探偵事務所へ就職したあとに実践で身につけていくことも可能です。
とはいえ、探偵に必要な技能や知識を、事前にある程度身につけておくに越したことはありません。
就職にも有利になりますし、就職後すぐに活躍できると、やりがいも増しますよね。
では一体どんな事を勉強しておけばいいのか、一番わかりやすいのは、探偵事務所や興信所が運営している探偵学校の講義内容を見てみるということでしょう。
パンフレットなどの資料請求をすれば、講義の一覧を確認することができます。
または、興信所のホームページに掲載されている、求人情報からどのような人物を求めているか読み解くことが可能です。
下記に、必要とされる技術や知識の代表的なものをまとめてみました。
探偵調査員として必要な技術、知識
- 尾行技術
- 張り込み技術
- 運転技術
- 撮影技術
- パソコン等の操作技術・知識
- 探偵・離婚に関する法律の知識
- コミュニケーション能力
- 国語力
上記をご覧いただければ分かる通り、求められる技術や知識の範囲は広いと言えます。
それぞれの項目ごとに、どんな場面で必要となるのか確認してみましょう。
まずは尾行技術と張り込み技術。
探偵の情報収集は、ほとんど尾行と張り込みによるものと言っても過言ではありません。
尾行と張り込み、そして聞き込みだけが、法律上探偵に調査として許されている行為だからです。
尾行も張り込みも、ただ後をつけたり、ただ見張ればいい、というわけではありません。
正しく尾行や張り込みをするには、基礎をしっかり学ぶ必要があるのです。
これがないと始まらない、基本の技術と言えるでしょう。
運転技術は、尾行中に使われるものです。
車を使った尾行を行う機会は多いですから、運転の確かな技術や交通法規の知識が備わっていないと、対象者を見失ってしまったり、交通違反で警察に止められてしまったり、最悪の場合事故を起こしてしまう可能性もあります。
そうなってしまっては、当然調査を続行できず、仕事になりません。
対象者を見失わず尾行し、またバレることなく張り込みができたとして、次に必要なのは撮影の技術です。
浮気調査の最終的な目的は、浮気を言い訳できない証拠写真の撮影です。
浮気現場を写真に収めて、報告書を作成し、依頼者に受け渡すことになります。
浮気調査以外の調査でも、証拠や調査報告の資料のために、写真や動画を撮影することがよくあります。
そのため、ある程度の写真撮影技術は必要不可欠です。
パソコン等の操作技術・知識は、調査後の依頼者への報告や、情報管理に必要なものです。
調査報告書は、大体の探偵社がPCを使って作成しています。
そのため、最低限のPC操作や知識はどうしても必要になってくるでしょう。
また、それらの探偵が取り扱う写真、尾行の結果わかった対象者の行動などの情報は、PCでまとめて管理されることがほとんどです。
そうなると、情報を取り扱うセキュリティ関連の知識についても勉強が必要になります。
法律の知識も、調査・情報の取り扱い両面で必要になります。
探偵の仕事は、「探偵業法」という法律において、その範囲や禁止事項を定められています。
まずはこの法律の知識がないと、どんな調査が許されて、どんな調査が禁止されているのかすらもわかりません。
そして、探偵業法の中には、大前提として「この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではない」という事項が掲げられています。
つまり、調査を行う職業といえど、警察のように特別の権限が認めらているわけではなく、法的に許される行為と許されない行為の基準は他の一般市民と何ら変わらない、ということです。
法律を知らなければ、知らない間に違法な調査を行ってしまう可能性を否定できません。
そして、依頼者の方からお預かりした個人情報や、調査の結果得た個人情報は、その取扱を法律で決められています。
これについても知識がなければ無用なトラブルを招くでしょう。
探偵は、調査の過程で聞き込みもよく行います。
その際、聞き込みの相手や周囲の人間に怪しまれてしまっては、十分に情報を引き出せず、場合によっては聞き込み相手から調査対象者へ、探偵が調査しているということが伝わってしまう可能性もあります。
相手に受け入れられやすい聞き込みの仕方については、探偵学校などで専門的な教育がありますが、その土台にあるのは基本的なコミュニケーション能力です。
また、探偵は依頼者の相談に乗るのも仕事ですから、依頼者に対しても、威圧的にならず話しやすいように、コミュニケーションを考える必要があります。
調査をしたあとは、依頼者に提出するための調査報告書を作成しなければなりません。
この調査報告書というのが、依頼者にとって最も重要なアイテムになります。
例えば依頼者が、配偶者の浮気を理由に離婚裁判を起こすという場合、探偵の調査報告書は裁判所に提出される正式な証拠書類となるのです。
ですから、調査報告書の内容は、正確でわかりやすく詳細に、且つ、誰が読んでも同じように解釈できる内容でなければなりません。
基本的な国語力が欠けていると、どんなに充実した調査を行ってもその内容と結果が正確に伝わりません。
まとめ
ここまで各項目について解説してきましたが、探偵になるために必要な勉強は多岐に渡ります。
そのための教材を整えるのは一苦労ですし、実際に体験しなければ学べないものもたくさんあります。
しかし、最終的に一番求められるものは、調査に必要と感じたことを貪欲に学ぶ意欲です。
探偵学校、探偵事務所の研修など、学ぶことのできる場は探せば用意されていますから、まずは問合せをしてみるのも良いと思います。
当社の責任者である継野勇一が書き下ろした「浮気男とストーカーをギャフンといわせる方法」などのように、現役の探偵が培ってきた経験を書籍にしたもの存在しますので、探偵になるための教材として利用してみるのも一つの手です。