興信所とのトラブルで最も多いのが、料金に関するトラブルです。
中でも、全ての調査が完了した後に料金を支払う後払い方式では、見積もりや相談時に聞いていた金額よりも高額な請求をされた、という事案がよく聞かれます。
具体的な例としては、次のようなものがあります。
≪後払い時の高額請求トラブルの例≫
- 諸経費が思ったよりも高かった
- 勝手に調査が延長されて追加料金が発生した
- 調査員が増員されて料金が上がった
- 待機要員の分まで人件費を請求された
など
なぜこのようなトラブルが多いのか、その理由は主に2つあります。
ひとつは、興信所側の事前説明が不十分であるケース。
もうひとつは、興信所がわざと依頼者を騙す悪徳業者であるケースです。
1.興信所の事前説明が不十分であるケース
興信所の調査料金というのは、ある程度の相場はあるものの、どんな調査を行なうかによって実際にかかる総額は変動します。
興信所のホームページや広告に記載されている料金は、あくまでも基本料金や平均金額であることがほとんどです。
実際は、基本の調査料金に、調査にかかった時間や調査員の人数、調査の際に必要になった諸経費などが加算され、最終的な料金が決定します。
そのことは、依頼者と正式に契約を結ぶ前に、興信所側が依頼者に対して十分な説明を行なわなくてはなりません。
依頼者が契約内容をしっかりと理解し、納得したうえで契約できるよう配慮する必要があります。
しかし、興信所の説明不足により、依頼者が契約内容(特に料金について)を十分に理解していない状態で契約を結んでしまうケースは少なくありません。
その結果依頼者にとっては、後になって思いがけない高額請求をされた、という事態になってしまうのです。
またこのケースでは、興信所の説明不足だけが原因ではなく、依頼者の確認不足がトラブルの要因となっている場合もあります。
興信所からの説明に対して不明点や些細な疑問があっても、興信所に質問をせず曖昧にしたまま契約してしまう依頼者も多いです。
その結果的、興信所と依頼者との間で契約内容に関する認識のズレが生じてしまうのです。
このような、興信所と依頼者双方の説明不足や確認不足が原因の料金トラブルは、お互いが注意すれば防ぐことができます。
厄介なのは、興信所がわざと依頼者を騙そうとする悪徳業者であるケースです。
2.興信所が悪徳業者であるケース
興信所の中には、はなから依頼者を騙し不当に高額な料金を払わせようという意図で営業している、悪徳な業者も存在します。
そのような興信所は、相談時や見積もりでは安い金額を提示して依頼者の契約意欲を引き出します。
そして、口頭で十分な説明はしないまま契約をすすめ、調査終了後に、当初とは違う高額な料金を請求します。
「諸経費がいくら掛かるかは予測できませんから。」 「緊急の判断が必要だったので、依頼者様に連絡せずに調査員を増やしました。」
など、もっともらしい言い分で追加請求を正当化しようとしてきます。
依頼者が「聞いてた話と違う」と言っても、よく見ると契約書には興信所の言い分通りの契約内容が書かれているのです。
逆に、契約前に口頭で契約内容について十分確認したはずなのに、肝心の契約書にはその部分が記載されていないという場合もあります。
興信所側の都合のいい内容しか記載されておらず、依頼者にとって不利な内容で契約してしまっていた、という場合もあります。
悪徳な興信所は、依頼者が勘違いしやすいようにわざと曖昧な説明しかしなかったり、もっと大胆な場合だと嘘の説明をして依頼者を騙し、契約書に署名させるのです。
依頼者に契約書をじっくり読む時間を与えずに、言葉巧みに契約を促します。
後払いの料金トラブルを防ぐための注意点
こうした悪徳興信所に騙されたという話は、口コミサイトなどで目にすることもあります。
まっとうな営業を心がける興信所にとっては、悪徳興信所の存在自体が営業妨害になります。
そのため、業界内でも悪質な営業をおこなう業者に注意するように、依頼をしようとしている人へ呼びかけをおこなっています。
もしも、料金後払いの契約で興信所への調査依頼を検討しているならば、次のポイントに注意するようにしてください。
注意するポイント
- 見積書では料金の内訳が明らかになっているか
- 見積書で提示された金額には、諸経費など全ての料金が含まれているのか
- 見積書の金額と実際の最終的な金額に差が出る可能性はあるのか
- 契約の前に十分な説明があるか
- 説明された内容が全て契約書にも明記されているか
- 説明されていない内容が契約書に盛り込まれていないか
- 契約書に料金の総額が明記されているか
これらの点に十分注意を払うことで、興信所との料金トラブルが発生するリスクは大幅に下げられます。
この他にも、依頼者として気になることや、説明を聞いてわかりにくかった点があれば、とにかくとことん質問して確かめるようにしましょう。
依頼者の認識が曖昧なまま契約を結ぶことは、本当に危険です。
安全な興信所なら、依頼者からの質問には丁寧に答えてくれるはずです。
また、契約書をはじめ、渡された書類には全て、隅から隅まで目を通してください。
そして、内容をしっかり理解して納得したうえで、署名するようにしましょう。
もし、口頭の相談・説明で互いに納得した内容とは違う内容が書かれていたら、その部分についてしっかり問い合わせてください。
それから、探偵や興信所には、契約に際し依頼者への書面交付の義務があり、また依頼者には書面の交付を受ける義務があります。
ですから、そもそも契約書などの書類自体をくれない、という興信所は、その時点で依頼するのをやめるべきです。
《重要ポイントまとめ》
気になることはしっかり確認する。
契約書類にはしっかり目を通す。
納得しきれないままの契約は絶対にしない。
興信所に調査を依頼する際は、このことを忘れないようにしてください。
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