探偵の「説明責任」
当サイトの トラブル報告フォーム からは、さまざまな探偵社の苦情が寄せられます。
トラブル内容としては、
「浮気調査を依頼したのに、尾行に失敗された」
とか、
「所在調査を依頼したのに、調査がうまくいかなかった」
というケースが多いのですが、これらのトラブルの中には、極めて悪質、悪徳な事例も多くあります。
しかし、中には、調査がいい加減という訳ではないが、探偵社の「説明不足」の為にトラブルに発展している事例もかなり見受けられました。
さまざまな探偵社の宣伝文句を見てみると、みんなこぞって、
「うちは、すごい調査力があるぞ」
と書かれている事が多く、中には、
「年間に1万件以上の依頼を受けて、99%以上の成功率」
だの、かなりの誇大表現も見受けられます。
一般の人からみると、「探偵」は、凄い人なのでしょう。
「探偵」はプロだから、尾行は、100%に近い確率で成功する。
プロだったら失敗するなんて事は、ありえない。
と思われる方も多いのではないでしょうか?
しかし、こと「尾行」に関しては、99%以上成功というのは、ありえないと思います。
これは、実際に探偵業に関わっている人間なら誰でも知っている事でしょう。
プロ野球選手が打率9割はありえないと思っているのと同じ事だと思います。
例えば、仮に 松下電器とか、ソニーとか、一流企業が探偵業界に本気で参入したら、(絶対にありえませんが)、どの程度の調査を行うか、想像してみましょう。
多分、ハイテク機械や社員教育によって、既存の探偵社よりは、よいパフォーマンスを上げるだろうと想像できます。
多分、既存の探偵社では、どこも勝てないくらいの成功率の探偵社を簡単に作れそうです。
しかし、それでも、「尾行」という調査では、90%以上の成功率は不可能だと予想できます。
それは、「尾行」という行為の中には、
「対象者が徒歩で移動した後にタクシーに乗って移動する」
という点も含まれており、あまりにも不確定要素が大きいからです。
本来は、こういったリスクに関しても、お客様に説明するのが探偵の義務だと思うのですが、探偵社の中には、
「確実に成功しますから」、
「うちの調査員は精鋭ですから、まかれる事は考えられません」
「うちの調査員は精鋭ですから、まかれる事は考えられません」
等、調子のいいことを言って契約させ、結局、トラブルになるケースが見受けられます。
私が言いたいのは、探偵はスーパーマンでもなんでもなく、普通の人間であるという点です。
ただ、普通の人間であっても、「プロフェッショナル」である以上、必要な調査機材を揃え、技術レベルを磨いてほしいと思うのですが、現実には、他業種と比較すると、お粗末な会社が多いと言わざるを得ない状態です。
そのようなお粗末な会社が多いにもかかわらず、
「99%以上の成功率等々」
誇大広告を行う訳ですから、トラブルが減るはずがありません。
国民生活センターでは、探偵社の苦情が、6年連続で1000件を超えるそうです(2002年〜2008年)。
これは、全国の探偵社の数と苦情件数の比率を考えると、凄まじく、トラブル率が高い業界と言わざるを得ないでしょう。
探偵を業とする者としては、調査力を上げる努力をするのは、当然の事ですが、 お客様には、調査のリスクを最大限、説明する義務があるのではないでしょうか。
※上記の記事は、Akai探偵事務所によって書かれています。