特に注意して観察したいポイントや、盗聴器発見に役立つ機器について解説します。
「盗聴器を見つけるには、専門業者や興信所へ依頼をしなければ発見が難しい」
と思っている人も多いですが、自分で盗聴器の有無をチェックする方法もあります。
- 電話やテレビから雑音が聞こえたり、2重音声になっていないか
- コンセント周辺に見慣れないタコ足配線などが取り付けられていないか
- 自宅(オフィス)内の雰囲気が違っていないか
- 見覚えのない小物が部屋に増えていないか
- 急に家電製品の調子が悪くなったりしていないか
- 自宅(オフィス)周辺によく不審な車が停まっていないか
など…。
これらに当てはまる、思い当たる節があるという場合、どこか周辺に盗聴器がある、もしくは怪しいと感じているものが盗聴器そのものである可能性が考えられます。
盗聴器は、見慣れないタコ足配線や見覚えのない小物のように簡単に見つけられる場合もあれば、どこかにある気はするけれど見当がつかないという場合もあります。
そんなときには、探す場所や探し方を工夫することで、専門の発見機器を使わなくても見つけられることがあります。
場所から探す
まずは、盗聴器が仕掛けられていそうな場所に目星をつけて、目視でチェックしていく方法です。
盗聴器を仕掛ける場所は、ある程度パターン化されていることが多いです。
引き出しやクローゼットの中など奥まった部分に隠してしまうと音を拾えずに仕掛けた意味がありません。
だからといって、目に付く場所に仕掛けるのもリスクがあります。
また、盗聴器のバッテリーは必ずしも無限ではありません。
電池式や充電式の場合は、そう長くはもたないので、自宅のような侵入しにくい場所では、コンセントや電源ソケットなど、盗聴しながら同時に充電もできるような形で仕掛けられていることが少なくありません。
具体的にどんな場所に仕掛けられることが多いのかを見ていきましょう。
オフィスで調べる場所
- 机や椅子の裏
- 書庫・ロッカーの上や隙間
- 壁掛け時計の裏
- エアコンの近く
- 観葉植物の裏
- コンセント周り
- 延長コード
- 固定電話機周り
オフィス内の盗聴は、情報入手や情報売買目的で仕掛けられることが多いため、大事な商談や会議をするような部屋や、人がよく出入りするような部屋が狙われやすいです。
また、見慣れない文房具がないかも注意しておきましょう。
最近は、文房具など小物に内蔵された偽装型盗聴器もよく出回っています(偽装型盗聴器については後述します)。
社内の誰かのものであるだろうと放置していて、結果それが盗聴器だったということもよくありますので、今一度確認してみましょう。
自宅内で調べる場所
- 観葉植物の裏
- 家具の裏や隙間
- 室内灯の上部
- ぬいぐるみなどの置物の中
- テレビ周り
- コンセント周り
- 延長コード
- 固定電話機周り
- エアコンの近く
- 額の裏
- 壁掛け時計の裏
自宅内の盗聴は、外部の人間の犯行である場合、出入りの機会が限られるので、自動的に充電ができるコンセント周りや延長コードに仕掛けることが多いです。
また、人から贈られた置物などには特に注意しましょう。プレゼントに盗聴器を仕掛けるというケースも多々あります。
偽装型盗聴器(後述)の場合、ぱっと見で見分けることが困難な場合もありますが、一般的な盗聴器の場合は確認すると違和感を覚えるはずです。
低い足元だけではなく、高い場所もよく確認してみると良いでしょう。
偽装型盗聴器
オフィス・自宅内を問わず、文房具や日用品に偽装させた「偽装型盗聴器」が使われるケースが増えています。
- 電卓
- コンセントプラグ
- デジタル置時計
- キーホルダー
- ペン
- USB
- パソコンのマウス
- 火災報知機
- 携帯電話の充電器
など
これらの偽装型盗聴器の厄介な点は、偽装している文房具や日用品そのものとしても実際に使用できるものが多いために、一見しても気づきにくいということです。
ただし、繰り返し充電しないと使えないような盗聴器の場合は、必ず充電器の差込口がついているはずなので、それが見分けるポイントになります。
オフィス内の偽装型盗聴器対策としては、日頃から社内の備品をしっかり管理する、社員が使う備品は会社が支給するなどを徹底することで、盗聴器が仕掛けられることを防ぐことができます。
自宅内では、見覚えのないものは放置しない、家族のものかもしれなくても必ず確認を取るなどを心がけるといいでしょう。
道具を使って探す
上記のような目視での調査からもう一歩踏み込んだ調査を自分で行いたい場合、道具を使って探すという方法もあります。
今回は市販の盗聴発見器とラジオを使った調査方法をお伝えします。
市販の盗聴発見器を使う
盗聴器の有無を調べることが出来る簡易発見機器は、インターネットを使って購入することができます。
値段は数千円と安いものから、数万円以上する少し高価なものまで色々あります。
価格帯やメーカーによって機能の違いはありますが、
- 盗聴器によく使われている周波数帯域の電波があれば警報を鳴らしてくれる
- 盗聴器から発信されている音声を傍受して聞き取ることができる
というような機能のいずれかを備えていることがほとんどです。
音声を傍受するタイプのものの方が、基本的に販売価格が高くなります。
盗聴器発見器の性能比較は、ネットで探すことができるでしょう。
ただし、市販の盗聴器で発見できる盗聴周波帯は限られていることが多いです。また、スイッチのオンオフを自在にできるリモコン型盗聴器や、周波数が一定時間で変わるスクランブル盗聴器に対応していません。
そして、ボイスレコーダーを盗聴器として使用している場合、電波を発していないため、盗聴器発見器は使えません。
ラジオを使って探す
機器の購入に抵抗感がある、もっと手軽なものがないかな…とお考えの方は、ラジオを使う調査方法があります。
盗聴は周波数を使用して行われます。そのため、盗聴器が使用されている状況下では、同じ周波数の家電製品が干渉を受けるため、その仕組みを利用して盗聴器を発見できることがあります。
FMラジオ帯の周波数も、よくある盗聴器の周波数の1つです。
盗聴器が発信する電波の中に、FMラジオと同じ周波数のものがあれば、FMラジオを使用して盗聴器を見つけることができます。
ラジオを使用した詳しい探し方については、下記サイトを参考にしてください。
ただし、昨今ではFMラジオの周波数を用いた盗聴器は減少傾向にあり、「UHF帯」を使用した盗聴器が増えています。
この周波数は、主に地上デジタルTVや携帯電話、業務用無線などに利用されています。
FMラジオとは周波数が異なるため、ラジオではUHF帯の盗聴器を見つけることはできません。
万全を期すなら業者に頼むのが一番
今回紹介した発見方法は、あくまで自分で出来る範囲の"簡易"の発見方法です。
先述したように、市販の盗聴器発見器やラジオなどを使用しても、見つけられない盗聴器も存在します。
また、目視で見つけられないものも少なくないので、これらの方法は100%の発見をお約束するものではありません。
これらの方法を試してみても見つからなかった、でも不安が残っているというようなときには、興信所へ依頼をして探してもらうのも手段の一つです。
特に企業では情報漏えいのリスクを防ぐために、興信所や警備会社というプロによって定期的な検査を行っているところもあるようです。
万全を期すなら、盗聴器発見専門業者や興信所へ依頼をして、徹底的に探しだしてもらうことをお勧めします。