2.8GHz以上のデジタル波を傍受できるのか?
2.8GHz以上のデジタル波を傍受したいということは、携帯電話などの盗聴を心配されてだと思います。
技術的には、デジタル波のシグナルを受信することは可能です。ただし、あくまでシグナルを受信できるだけで、通信内容を確かめることはできません。
携帯電話などの通信内容は、携帯電話会社でないと内容の確認ができません。
携帯電話会社以外の何者かが、携帯電話の通信(データ通信や通話内容)を傍受して盗聴を行う、というのは不可能です。
現在、盗聴で多く使用されている電波はアナログ波を使用した盗聴器です。
アナログ波を傍受する機器として広帯域受信機が有名ですが、デジタル波に対応した広帯域受信機は数が限られます。
最初に解説した通り、デジタル波はシグナルを受信することができるだけで、その内容は確認できません。
デジタル波のシグナルだけを受信するのであれば、2.8GHz以上の電波も広帯域受信機を使えば受信が可能です。
ただし、シグナルが受信できても内容の確認はできないため、広帯域受信機がキャッチした電波が盗聴に使われているか判別できません。
キャッチした電波が盗聴電波かどうかを判別するには、傍受した電波を実際に聞いて、内容を確認しなくてはなりません。
従来のアナログ波を使った盗聴器なら、広帯域受信機で傍受した内容の確認ができます。
このアナログ波に対応した広帯域受信機は個人が所有可能な価格で購入が可能です。
しかし、デジタル波の場合、デジタル波を傍受できる広帯域受信機が限られるだけでなく、広帯域受信機本体の価格も数十万円〜百万円を超えるため、個人で所有するにはコストがかかり過ぎます。
例えば、デジタル波を傍受できる広帯域受信機に、AORの「AR6000」や同じくAORの「AR5001D」などがあります。
いずれもデスクトップ型の広帯域受信機で、操作や持ち運びの簡単なハンディ型とは性能や価格がまったく違います。
最後に、自宅の無線LANやインターネット回線が盗聴されている可能性について少し解説します。
携帯電話の盗聴が心配される方で、無線LANやインターネット回線の盗聴を危惧する方も中にはいらっしゃると思います。
これらの盗聴は、ハードではなくソフト面に盗聴の危険があります。
例えば、パソコンがコンピュータウィルスに感染していた場合、個人情報が外部に漏れている可能性があります。
無線LANやインターネット回線のデータ通信を盗聴するには、かなり高度な技術と設備が必要です。
個人宅に対して、高度な技術と設備が必要な盗聴が行われるとは考えるのが難しく、もしも盗聴のターゲットとされるなら、大企業や国の行政機関が盗聴の標的になるのではないでしょうか。
盗聴される可能性がゼロとは言い切れませんが、個人を狙って無線LANなどのインターネット回線が盗聴されるケースは少ないと思われます。